Fondillón

マドリーのワイン屋 Bravo のシェリーコーナーで
鎮座していた酒が気になった。

Fondillón Alone Gran Reserva 1987
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「ふぉんでぃりょん アローン?  アリカンテの酒精強化酒??」
酒屋のおじさんに質問すると
「ポートやオロロソに似ているよ」とのこと。
興味津々、値段もそんなに高くない。
アリカンテというと、エンリケ・メンドーサなどの
モダンなスティルワインや
甘口のモスカテルは知るところであるが。
即購入し、持ち帰った。

しばらく、その存在を忘れていたが
日曜日の夕食後、思い出して開けてみると・・・

色は琥珀色で少し赤みを帯びて
香りはプルーン、レーズンやメンブリージョ(かりんのジャム)
樽由来のトースティな感じもあって
「結構甘いのかなあ」と思いきや。
口当たりはなめらかで柔らかいが、その後にビシッとしたドライ感!
アモンティジャードに似ているかも。
甘さはほんのり、シェリーのミディアムくらいか?
古い梅酒のようでもあり・・・
余韻の長さは、オロロソ級だ。

むむむ、何とも複雑で摩訶不思議な酒!
甘すぎるデザートワインが苦手な人や
蒸留酒は度数が高過ぎて飲めない人に、ぜひ、お勧めしたい。
シェリーのように「癒しの酒」としても、ピッタリである。

残念なのは、日本で売ってないこと。トホホ・・・

それから、その正体が気になって仕方が無くて
1日がかりで辞書片手にネットサーフィン。

その結果・・・
(長いので興味のある方だけどうぞ)



まず、知りたかった「酒精強化」はされておらず
ビノ・ランシオ(故意に酸化熟成させたワイン)だった。
ブドウはモナストレルで、
高い糖度の完熟した状態(16〜18ボーメ)で収穫し、
さらに天日干しにして濃縮させ、発酵。
発酵が終わると甘さは軽く、ミディアム・ドライになる。
熟成は、大きな古樽で最低でも10年以上、
この地域特有の過程(ソレラシステムのよう)で続けられ、
自然とアルコール度数は16〜18度になる。

そして、秀逸な収穫年のワインは、他の年のものと混ぜずに
単独で熟成させて、本物のフォンディリョンとして
そのままソレラに組み込まれる。
ビンテージものというわけだ。

ということは、「収穫 1987年」と書いてあった
我がボトルは、それだったということか・・・・!?

しかし、何でも、えらく伝統と歴史のあるワインらしい。
フォンディリョンを知らずして、
アリカンテのワインは語るなかれ、という元祖。

”15世紀ルネサンス時代には、すでにカトリック界では有名で
壊疽で苦しんだルイ14世も医者から薬として薦められていた”
”フェリペ2世に謁見した天正使節団(のことだと思う)も、
スペイン人の船員が 東方への航海に持って行くことを認めた”
”固有名称を持った最初のワイン”だ、とか・・・

なるほど、シェリーやポートと同じく、
イベリア半島の黄金期を支えたワインだったのだ。

アリカンテ原産地呼称のホームページには
"D.O.アリカンテの固有表示で、EUの(シャンパーニュやポルト、ヘレスなどの)
5つある贅沢なワインの1つとして認定されている"

とあるけれど、日本になかなか入って来ないのは
その生産量がとても少ないからなのかもしれない。
ボデガの数も数える程だし・・・・・

と、また1つ課題が増えた。
知らないスペインのワインが
まだまだ未曾有にあることを知って
我が休日、終わり。
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by irdecopas | 2007-12-16 21:00 | ワイン・シェリー Vinos
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