ナルシストの境地

3個持ちを始める前に、ライトを少し気にしてみた。
身体の正面を右斜め前にずらしてみると、ちょっとだけ光が弱い気がする。
「よし。」と足場を決めると・・・さっきより舞台の前に出ている。
観客の視線が集まって、気持ちがよい。
「皆が見ているのだ。とくと、ご覧あれ!」

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(また光を回避してか、えらく高い位置から注いで、左手が固まっている・・・)



我が恩人、ベネンシアドール・デ・メリト中瀬航也氏
「ベネンシアは闘牛やフラメンコと同じ。ナルシストにならなくてはダメ」
という言葉が、この時わかった気がした。
1つ1つ注ぎ終わった後に、身体が勝手に観客席を睨みつけ、ポーズを決めていたのだ。
(まだまだ、真の理解には及んでいないが・・・)

しかし、『注ぎ』に関しては”成功”からは程遠いものであった。
大前提の一滴目が上手く入らなかったこと、
そして、液体の『高さ』があまり出なかったこと、
最後の最後で身に付けた『コルテ』も全然出来なかったこと・・・
悔やまれる点は沢山あった。でも、これが今の我が実力なのだ。

最も良かったのは、『姿勢』。会う人、会う人にお褒めを頂いた。
スペイン人の観客のおじさんからも、「とても良かったよ」と後で声をかけられた。
ベネンシアで注ぐのに大切な『姿勢』と『心持ち』をこの場で体現できたのは
最良の収穫だった。
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また、しぇりークラブでの練習会は、とても有意義であった。
「自分のスタイル」を確立するために、他の人の注ぎ方を目にすることは重要。
「個性を出さないと、他の上手な人たちの中で埋もれてしまう」と
直前まで、試行錯誤することが出来たからだ。
そして、なによりシェリーを愛する様々な人々と出会い、新しい交流ができた。
試験会場でも、情報交換をしたり、緊張をほぐし合ったり。
残念ながら、公式ベネンシアドールに合格出来なかった同志の人々からも
たくさん祝福を受けた。何にも代え難い、経験だった。
「皆さん、また銀座でお会いしましょう!」

というわけで、結果は・・・・・・・
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残念ながら、ヘレス研修旅行には行けませんでした。
(sidoredoさん、長い間引っ張ってすみませんでした。)
でも、一緒に練習していた中央のSさんが優勝、その右となりのB氏が準優勝。
しぇりークラブ同志が二人とも上位に入った。素晴らしい!
改めて、「おめでとうございます!」

正直、研修旅行を逃したのは悔しい。
せっかくこれだけ色々勉強し、練習したのだから、
いつの日かヘレスへ、個人的に行ってボデガや畑を見て回りたい。
絶対、行ってやる・・・・・
そう、心に誓って、我がベネンシアドール試験は幕を閉じた。

試験は終了したけれど、ベネンシアドール・オフィシアルとしては
これからが、スタート。
「資格は、取得しても使わなければ意味が無いぞ」
父親からの、メッセージ。
日々、お客様へ美味しいシェリーを提供できるように、自己研鑽しなくては。
もっと小さいグラスに綺麗に注げるように、練習しなくては・・・・
また、この場で宣言致します。
「真のベネンシアドール(ラ)目指して、頑張るぞ! オー!!」
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by irdecopas | 2006-11-01 10:30 | Venenciador シェリー
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